腎臓内科とは
腎臓内科とは、腎臓に関わる病気を内科的に診断・治療する診療科です。血尿やたんぱく尿が続く方や、腎機能が低下した方などを対象に診療いたします。
当院では、健診などで尿の異常を指摘された(尿潜血、たんぱく尿など)方をはじめ、慢性腎臓病(CKD)、糖尿病性腎症、高血圧性腎硬化症、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群などの診療を行います。
腎臓内科、泌尿器科どちらを受診した方が良いか?
真っ赤な血尿、尿路結石症(腎結石が尿管や膀胱に詰まって激しい腰痛を引き起こす)、前立腺肥大、腎臓や膀胱の腫瘍などは基本的に泌尿器科の専門分野となります。
こんな症状は腎臓内科受診をお勧めします
- 尿検査で「尿潜血」や「たんぱく尿」を指摘された
- 健診等で腎機能が悪いと言われた
- 尿の色や性状に異常がある
- 糖尿病の治療中である
- 顔や足がむくむ
- 近親者に腎臓病の患者が多くて心配
など
腎臓内科の扱う主な症状・対象疾患
尿潜血
尿中に赤血球が混じるのは、主に腎臓や尿管、膀胱、および尿の通り道(尿路・尿道)に何らかの異常が起きている場合です。
炎症や結石、腫瘍などが生じている可能性もありますので、尿潜血を指摘されたら必ず専門医を受診し、原因を明らかにしておきましょう。
たんぱく尿
たんぱく尿の原因としては、急性腎炎や慢性腎炎、糖尿病、膠原病(こうげんびょう)などが挙げられます。
蛋白尿が多いということは腎臓が障害を受けている証拠であり、放置しておくとどんどん腎機能が悪化してしまいます。
原因によって、治療法もそれぞれ異なってきますので、まずは正確な診断が必要になります。
慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病とは、慢性に経過するすべての腎臓病の総称です。
実は1,330万人(20歳以上の成人の8人に1人)もの患者がいると言われ、新たな国民病ともいわれています。
生活習慣病(高血圧、糖尿病など)や、メタボリックシンドロームとの関連性も強く、誰もがかかる可能性があります。健診などで慢性腎臓病(CKD)が指摘された場合、一度、腎臓内科を受診してください。
糖尿病性腎症
糖尿病性腎症は糖尿病の三大合併症の一つで、高血糖状態が長期間続くことによって、腎臓の血管が壊れたり破れたり詰まったりして老廃物を濾過することができなくなり、尿がつくれなくなってしまう疾患です。「人工透析」といって、機械で血液をきれいにしなくてはならなくなったりします。
現在、人工透析になる原因の1位が、この糖尿病性腎症です。
できるだけ早期のうちにこの疾患を発見し、適切な治療を早期のうちに開始することが重要です。
腎硬化症
腎硬化症とは、高血圧を原因とする腎障害です。
高血圧が長期間続くことで、腎臓の血管に動脈硬化が生じてきます。
この動脈硬化のために血管の内腔が狭くなり、腎臓を流れる血液量が減少してしまうので、腎臓は萎縮して硬くなり、腎臓の機能が低下してしまいます。
現在、人工透析になる原因の第3位となっています。
腎硬化症の治療の中心は、やはり血圧コントロールであり、そのためには生活習慣の改善や適切な降圧薬による治療が必要です。
糸球体腎炎
腎臓の濾過装置である糸球体に炎症が生じるにことよって、たんぱく尿や血尿が出る疾患を総称して糸球体腎炎といい、その主なものに急性糸球体腎炎と慢性糸球体腎炎の2種類があります。
急性糸球体腎炎は、のど風邪の1~3週間後にたんぱく尿・血尿、尿量減少、むくみ、高血圧で発症し、小児や若年者に多い疾患ですが、成人や高齢者にもみられます。急激に腎機能が低下してしまうこともあるので入院が必要な場合が多いですが、適切な治療により多くの場合は後遺症も少なく、治癒します。
慢性糸球体腎炎(慢性腎炎)は、たんぱく尿や血尿が長期間(1年以上)持続するものを言います。
原因としては、免疫反応の異常によるものが多いと考えられています。
症状としては、たんぱく尿や血尿のほか、高血圧、めまい、肩こり、むくみ、頭痛、倦怠感などが現れます。
治療は降圧薬などによる薬物療法と食事療養(塩分制限・たんぱく制限など)です。
また、激しい運動や過労を避けることが必要な場合もあります。
原因を調べるために腎生検を含めた詳細な検査が必要な場合は総合病院腎臓内科を紹介いたします。
ネフローゼ症候群
大量のたんぱく尿が出てしまい全身がむくんでしまう病気をネフローゼ症候群と言います。血液中のたんぱくが減り、その結果、むくみ、体重増加、尿の泡立ちなどが起こります。子どもの発症が多いのですが、大人にも起こります。
消化管(腸)がむくんで食欲の低下や下痢を引き起こしたり、肺に水がたまって苦しくなることもあります。
大量のたんぱく尿が長期間続くと腎機能が低下するため、長期間にわたって尿たんぱくを減らす治療を継続する必要があります。
ネフローゼ症候群の原因を調べるために腎生検を含めた詳細な検査が必要な場合は総合病院腎臓内科を紹介いたします。